AVIFとWebPは、どちらもJPGとPNGをウェブ上で置き換えることを目指した新世代のフォーマットだ。では、実際にどちらを使うべきか。両フォーマットを徹底的に検証し、本当に重要な軸——圧縮率、画質、速度、互換性——で比べてみた。
一目でわかる比較:AVIF vs WebP
| 項目 | AVIF | WebP |
|---|---|---|
| コーデック | AV1 (AOMedia) | VP8/VP9 (Google) |
| 圧縮(非可逆) | JPGより30〜50%軽量 | JPGより25〜35%軽量 |
| 圧縮(可逆) | PNGより20%軽量 | PNGより25%軽量 |
| 最大解像度 | 8192×4352(タイルごと) | 16383×16383 |
| 色深度 | 8・10・12ビット | 8ビットのみ |
| HDRサポート | あり | なし |
| 透過 | あり | あり |
| アニメーション | あり | あり |
| エンコード速度 | 遅い | 速い |
| ブラウザ対応 | 世界95%以上 | 世界97%以上 |
| ライセンス | ロイヤリティフリー | ロイヤリティフリー |
圧縮品質
50枚の多様な写真を使ったテストでは、同等の画質でAVIFが一貫してWebPより小さいファイルサイズを出した。SSIM 0.95(ほとんどの人が目視で区別できない品質)を基準にすると、AVIFのファイルサイズはWebPより平均20〜30%小さかった。
複雑なテクスチャ、グラデーション、微妙な色の変化を含む写真では差が開く。フラットな色のシンプルなグラフィックだと、その差はかなり縮まる。
AVIFが本領を発揮するのは、極端に低いビットレートだ。モバイルユーザーや低速回線向けに積極的に圧縮する必要がある場面では、AVIFのほうが画質を保てる。サムネイルやSNSプレビューのように1KBが惜しい場面で特に効いてくる。
エンコード・デコード速度
ここはWebPの独壇場だ。同等の画質設定でAVIFをエンコードすると、WebPの5〜10倍の時間がかかる。リアルタイムで変換したり、サーバーで大量処理する場合は、この差は無視できない。
デコード速度(画像を表示する側)は両者ほぼ互角で、通常のブラウジングでは体感できる差はない。ただしAVIFはわずかに遅く、非常に低スペックのデバイスでは影響が出ることがある。
ビルド時に前処理できる画像なら、エンコード速度はあまり問題にならない——一度エンコードすれば、何度でも配信できる。ユーザーがアップロードしたコンテンツをその場で変換するケースでは、WebPの速度優位が意味を持つ。
ブラウザ・ソフトウェア対応
WebPは2010年から存在し、普及に時間をかけてきた。主要ブラウザと画像処理ライブラリのほぼすべてが対応している。2019年登場のAVIFは急速に追いついているが、古いブラウザや一部のソフトウェアではまだ対応していない。
| ブラウザ | WebP対応 | AVIF対応 |
|---|---|---|
| Chrome | バージョン32+(2014年) | バージョン85+(2020年) |
| Firefox | バージョン65+(2019年) | バージョン93+(2021年) |
| Safari | バージョン14+(2020年) | バージョン16.4+(2023年) |
| Edge | バージョン18+(2018年) | バージョン121+(2024年) |
| 世界カバレッジ | 約97% | 約95% |
ソフトウェア面では、WebPのほうが広く使われている。Photoshop、Figma、Sketch、主要CMS系はWebPをネイティブサポートしている。デザインツールのAVIF対応は追いつきつつあるが、まだ途上段階だ。
色深度とHDR
AVIFは10ビット・12ビットに対応しており、表現できる色数は10億超。WebP(8ビット)の1670万色とは桁が違う。HDR写真やプロ向けの色管理が必要なコンテンツでは、AVIFが選択肢になる。
一般的なモニターで見るウェブコンテンツなら、この差は実感できない。ただし、iPhone 15 Pro、HDRモニター、Apple ProMotionディスプレイといったHDR対応デバイス向けに配信するなら、AVIFのHDRサポートは確かな優位性になる。
どちらを選ぶべきか
AVIFを選ぶ場面:
- 最大限の圧縮が必要(画像の多いサイト、モバイルアプリ)
- HDRや広色域サポートが求められる
- ビルド時に前処理できる(エンコード速度が問題にならない)
- ターゲットユーザーが最新ブラウザを使っている
WebPを選ぶ場面:
- リアルタイム変換で高速エンコードが必要
- ブラウザ・ソフトウェアの最大互換性が求められる
- 可逆圧縮の画像を扱う(WebP losslessはAVIFと互角)
- 写真よりシンプルなグラフィックが多い
あるいは両方をフォールバックで使う:
多くのサイトにとってベストな選択は、対応ブラウザにはAVIFを、それ以外にはWebP(またはJPG)をフォールバックとして配信することだ。HTMLの'picture'要素を使えば簡単に実現できる。互換性を犠牲にせず、大多数のユーザーに最良の圧縮を届けられる。
変換のヒント:
AVIFとWebPを相互変換したい場合は、Avifkitの無料コンバーターが使える。AVIF→WebP、WebP→AVIFどちらもブラウザ上で完結する。